論文の要約を依頼されたらどうする?

 
 

好奇心は猫をも○す

 
クロスさんのライブ配信(YouTube)で音楽と性格特性について
たまたま見つけた論文がクロスさんの琴線に触れたようで、
少し調べてみようという話がありました。
 
ご本人が酔っていたことや内容がけっこう面倒そうな
構造だったこともあって、翻訳途中で終わりそうな
感じだったため、興味本位でURLを聞いてみたのですが
なぜか、私が、どう言うわけか、
調べてみると言う流れに!笑
 
 
この論文は私には苦手な書き方なので正直やりたくない
タイプなのですが、ここは苦手克服のタイミングが来たと
言うことでしょうか笑
 
まあ嫌なら無理です、で返せばいいのですが、せっかくなので
クライアントから論文調査を依頼された、みたいな想定で
クライアントのクロスさんが、納得できそうなまとめができるか
チャレンジしてみる、といった感じでやってみようかと思います。
 
 
 
 

論文調査の会社だと想定して考えてみる

 
💬
クライアントの意向 1)好きな音楽と性格の関連性に関する論文が知りたい 2)論文は上記に類するものなのか詳細を知りたい。 3)ズバリこの音楽ならこの性格!見たいのがあれば表にまとめて欲しい。
 
もともと話の流れで 1)の論文があるのか調べてみる
と言うことから偶然見つけた論文でした。
 
なので私がやることは、この論文がそれに関する
内容なのか成否を調べること
また仮に論文が「当たり」だったなら、クライアントである
クロスさんの好みの性質として論文を表にまとめる
のが喜ばれるため表としてまとめる、と言うことになります。
 
さらに
 
今回の論文が該当しなければ 1)に類する
他の論文を見つけ出して提供する。
 
 又は
 
追加予算でこんな論文を見つけましたが調べますか、と提案する。
 
ここまでやったら、今後もまたお願いします
というリピーターになってくれる可能性が高いです。
 
 
もっとも、単発の論文を調べてくれ、という依頼は
あんまりないのかな、と思ってますがどうなんですかね。
 
 

元論文

The Structure of Musical Preferences: A Five-Factor Model(2011)
 
論文を画像化1
 
論文を画像化2
論文を画像化3
 
長い。。。。
これだけで読む気を無くします汗
 
英語はわからないので、DeepL翻訳やChromeの翻訳機能で
読み解くしかないですね。
論文を敬遠するのはその難解な書き方ですよね。
 
 
 

まず性格特性と関連があるか調べる

 
仮に性格特性と関連のある内容であるなら
ビッグファイブの単語が何かしら絡んでいるはずです。
論文をctrl (command)+F キーで検索してみます。
 
  • openness(開放性)             ない 
  • conscientiousness(誠実性・勤勉性) ない
  • extraversion(外向性)            ある
  • agreeableness(協調性)          ない
  • neuroticism(神経質性)           ある
 
芸術関連の内容なので開放性であるopennessが
入っていないのが気になりますね。
真っ先に入っていてもおかしくないのですが・・・
ビッグファイブの単語が全部入っていない時点で
この論文はビッグファイブに関連づけるような
内容ではないものかと予想しています。
 
 
あと英語論文をいきなり取り掛かるのは
結構しんどいので日本語で解説してるサイトが
あればそちらを参考にしちゃったりします。
 
論文タイトルを検索ワードに入れて、さらに
「ビッグファイブ」とカタカナを入れて検索してみました。
 
 
 
これがヒットしました。
 
ちょっと内容をつまみ食いするとこんな項目があります。
 
全特性の中で、経験への開放性はジャンル選好に最も強い影響が見られる 他にも、音楽教師や音楽療法士 は音楽を好み勉強しているのだからより外向的ではないかとする研究が行われた。その結果、音楽教師はそうでない人より明らかに外向的であった。音楽療法士も、教師よりは低得点であったもののやはり外向的であった[32] 。この差の原因は、教えることを仕事にできるかはより外向性に依存するからだと考えられる。 神経症傾向が強いほど、ロックやヘヴィメタルといった激しく反抗的な音楽を好みにくい 誠実性(勤勉性)は、ロックやヘヴィメタルといった激しく反抗的な音楽と負の相関がある[11]
 
私はロック系も好むのですが
神経質性は低い・勤勉性はそこまで高くない
傾向なので、合っているんじゃないでしょうか。
 
 
協調性の高い人はポジティブ・ネガティブに限らず
どのジャンルの音楽にも強く反応を示すらしいです。
 
 
いや、もう論文読まないで
これで良いんじゃないでしょうか笑
クロスさん依頼はこのwikiを読んでください。
と言うことでお疲れさまでした〜
 
 
 
 
 
としたいのは山々ですが。
 
 
 
 
 
 
 
とりあえずwikiの中で今回の論文が
ヒットした文章は引用するとこうなります。
 
 
 
この中の[20]が今回の論文のタイトルに
関連しているそうです。
つまり「激しく反抗的な音楽を好む」と言う内容が
今回の論文には入っていると言うことになります。
つまり、逆に性格特性に触れている内容であったのなら
wikiでは多く引用されているはずなので
あまり関連はないんじゃないかと考えられます。(予想)
 
 
ちなみにwikiの参考文献を見てみたところ
 
💬
むしろ音楽と性格特性に関しての論文について 知りたいのなら、今回の論文よりも こちらの論文の方が良さそうな感じです。 母数は少ないかな? Toward a better understanding of the relation between music preference, listening behavior, and personality
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ここまでの段階で、性格特性に関連した内容では
ないだろうな、と何となく感じてはいるものの
頼まれた以上はどんな内容のものかは
気になるので調べてみます。
 
 
 

論文の該当箇所を調べてみる

 
最初から翻訳してみていけばいいんじゃ、と
思うかもしれませんが、私的にはNGでして
と言うのも
 
  • 英語ができない
  • 論文がめちゃくちゃ長い
  • 論文の構成が簡潔でない
 
と言うことからモチベーションの維持のためには
自分が興味を持って調べられるように持っていく
必要があるからです。
 
 
と言うことで気になるとっかかりから先に
つまみ食いしていく感じで読んでいく方が
私的にはやりやすいですね。
 
 
 
 
とりあえずもう一回アブストラクトを
しっかりとDeepLで翻訳してみましょう。
 
 
 
ビッグファイブと関連性が低いことから
このアブストラクトの5つの項目という部分に
着目すると論文途中にある表の5項目はまさに
この5つの項目が該当するんじゃないでしょうかね。
💬
1)滑らかでリラックスできるスタイルからなるメロー系 2)ラップ、ファンク、アシッドジャズに見られるようなリズミカルでパーカッシブな音楽で主に定義されるアーバン系 3)クラシック、オペラ、ワールド、ジャズを含む洗練系 4)派手で力強く、エネルギッシュな音楽で定義されるインテンス系 5)様々なスタイルのダイレクトでカントリーやシンガーソングライターにしばしばみられるようなルーツ系音楽からなるキャンペスト系
 
 
つまりこの論文の趣旨は
💬
音楽という分類が難しいジャンルについて
研究したところ大まかに5個に分類可能ですよ
ということがわかりました。
という内容かと考えられます。
一番下に書いてある4つ目の研究については
性格特性ではなさそうですが
2つの社会的特性、聴覚的特性が両方
音楽の嗜好に関連しています、としています。
 
 
なので前半3つの研究については
元の論文を3つ読まないといけないという
面倒そうな作業が待ってそうな予感があるので
申し訳ないですが、やらないことにします。
 
気になる4つ目の研究についてだけ
軽く触れようかと思います。
 
 

その前に

 
開放性の高さが「激しく反抗的な音楽を好む」の部分だけ
どこに書いてあるのかだけ先に調べてみましょう。
 
先に書いたように開放性という単語がこの論文には
入っていないことから、引用している別の論文に
入っているんだろうと考えられます。
 
 
論文をDeepLで翻訳したら・・・
 
ありました。
 
調べたところ「Rentfrow and Gosling(2003)
こちらの論文が出てきました。
 
日常生活のドレミ:音楽嗜好の構造と性格的相関(訳DeepL) 要旨 本研究では,音楽嗜好の個人差について検討した。音楽に関する信念、音楽嗜好の構造、音楽嗜好とパーソナリティの関連について、6つの研究を行った。その結果、人々は音楽を生活の一部として重要視しており、音楽を聴くことは頻繁に行う活動であることが示された。複数のサンプル、方法、地域を用いて、3,500人以上の音楽嗜好を分析した結果、4つの音楽嗜好の次元が明らかになりました。「反射的で複雑」、「強烈で反抗的」、「アップビートで慣習的」、「エネルギッシュでリズミカル」である。これらの音楽嗜好は、性格(例:開放性)、自己観(例:政治的志向)、認知能力(例:言語性IQ)と幅広く関連していることがわかった。
 
論文が古いことと、開放性は芸術関連に
影響あるはずなので、開放性が高いから
激しい音楽を好むとはちょっと違うんじゃないかな
というのは個人的な感想になります。
 
論文をしっかり読まないとその辺はわかりませんが
今回は割愛します。
 
 
 
 

4つ目の研究について

 
この4つ目の研究のまとめが
あったのでDeepLで翻訳してみます。
 
 
つまり音楽の好みについては音楽ジャンルよりも
メロー、アーバン、ソフィスケート、インテンス、キャンペストラル
5つの因子によって決定づけられてるということになる。
音楽自体の社会的意味合いと聴いた時の特徴両方で
好みは判断されてますよ、ということらしい。
 
 
ということは性格特性によって決められるわけではない
ということ??
この辺は元になった論文をしっかり読むと
理解できるのかもですね。
 
 
 
 
例えば私の場合ゆったりした音楽よりも
アップビートな音楽やドラムがドコドコなっている
音楽が好きです。音楽の歌詞も恋愛系ではなく
これから冒険を経て成長していくんだよ
みたいな希望に溢れているような歌詞が
好きなのですが、おそらく原因となってるのは
RPGゲーム音楽の影響だと思います。
 
戦闘の曲とかRPGのOP歌詞なんかが
まさにそこに当てはまってます。
 
知人は全く聴いていなかった倉木麻衣を
なぜか好きになっていましたが
理由は付き合ってた子の影響でした。
 
 
 
色に関する論文でも日頃長く触れている
ステレオタイプで自然と受け入れてきた
色を好む傾向にあるという研究もあるので
音楽も同様に
 
日頃触れている音楽や興味なかったけど
自然と耳にしていくうちになぜか好きに
なって同じ系統が好きになる
 
みたいな感じなのかなと私は理解しました
 
 
 

結論

 
今回の論文は音楽と性格特性を
結びつけるような内容ではなかった。
苦手は克服できず。