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86―エイティシックス―22話をみて堪らず書いた感想

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死神が解放され見つけた答え
職場の同僚に勧められて去年AmazonPrimeで観始めた86ですが、私が21話を今年1月で終わって以来すっかり間が空いてしまってまさか22話が放送されてたとは気づきませんでした。リアルタイムで追ってた人は3ヶ月も放送を待っていたことに。
本日primeのおすすめ欄に何故か上がっていたことに違和感を感じたので開いたらまさかの22話があり観たらこれまでの過去を精算するような様々な感情が溢れ出る内容だったのでいても経ってもおられずブログに残そうと思い至ったので気持ちが落ち着く前にとにかく書いてしまいます。
ネタバレしてしまうので観てない方はすみませんがそっとブログを閉じてアニメを見てください。22話の感動によるドーパミンとオキシトシンを得てストレスの塊のコルチゾールを目から大量に溢れ出したいのであればぜひ1話から見て欲しいです笑
ちなみに小説版は見ていないのでアニメのみの感想になります。その辺りも踏まえていただければ幸いです。むしろ小説版を読まずに観る方が私の感覚に近い状態で観ることになるのでオススメかも。
ネタバレ
やっと出会えた!よかった・・・っ
1クール目で目的だった兄を探して殺すことで自身の目的をはたしてしまったシンは、辿り着いた連邦で少しの休息のあと結局戦場へ戻ることを決めました。戦場で死んでいったり奪っていった(レギオンに食われないように)仲間たちの亡霊や実の兄に拒絶されたトラウマなどで病んでいた心を解放してくれるのは死しかないと思いつつも、その中でレーナの思い出や言葉、存在で彼の心は繋ぎ止められていたように感じます。
2クールではとにかく死に場所を求めるような行動も多くて彼だけ見てたらこっちまで気が病みそうなわけですが、フレデリカやファイドのおかげで何とか均衡を保ってたような気がします笑
そんな中現れた超長距離レールガンを持ったモルフォの登場でレーナのいた共和国も壊滅したことを知ってシンの繋いでいた糸が切れた感じでしたね。
アニメ86の魅力は戦闘シーンの派手さと同時に心理描写を巧みに演出方法で表現していることにあるので、物語にグッと引き込まれていくのが印象的でした。
次々と仲間が倒れていく中最終決戦の21話。
モルフォにトドメを刺した瞬間に溢れ出てくるのはシンを繋ぎ止めていた支え、例え呪いのようにシンを苦しめる兄の言葉でさえ彼にとっては支えだったんですね。
戦場なら孤独でいることはない、むしろ孤独になるのが怖くて戦場に戻ったと言った感じだったのでしょうか。エグいくらいの演出が印象的でした。
実は21話で字幕ON機能をつけてると謎の援護射撃をした声にレーナという名前がついていたのを気づいたのは22話視聴した後でした。
そんなネタバレある?笑
さいわい21話見ていた時は字幕OFFだし、ノイズもある一瞬だけの声だったしレーナがどのタイミングで脱出してどの程度の戦力で移動しているとか全く予備知識のない状態で見ていたことや最後に観たのが1月なので、22話の演出もすっかり忘れた後という記憶がほぼゼロになったまっさらな状態での22話の視聴だったので

レーナが登場したときは私も驚きました笑
しかもここの表現がたまらない。
これが86の魅力と上にも書きましたが、死に取り憑かれていたシンがレーナによって一気に解放されていく名シーンですね!
大量の青い阻電撹乱型<アインタークスフリーゲ>が1人の少女が近づくだけで離れていきその下から赤い彼岸花が現れるという演出。
しょっちゅうこの彼岸花は86に出ていてイメージ的には死の連想に近い印象をずっと抱いていたのですが、この花言葉を調べてみたら「また会う日を楽しみに」という意味もあるそうですね。

86はこの2人を主人公にした時点で大成功でしたね。
ずっとシンやレーナの感情を両方見てきた視聴者にとってはお互いにお互いを繋ぎ止めていることを知っていたのでこのシーンのために86を観ているんだ状態になっておそらくほとんどの人は涙なしにはここは観れてないんじゃないでしょうか。
唐突の脳科学ですみませんが、記憶の海馬と情動の扁桃体はとても近い位置にあるのでこうした今まで観てきた静止画を次々と見せられるとその時の感情も同時に溢れ出てきます。嫌な記憶も楽しい記憶も関係なくその時の映像などをみると記憶と感情が出ます。なので86をずっと観てきてどこかで絶望感や感動などで涙を流してきた視聴者は、より一層その時の記憶と感情を一緒に引き出されます。
つまり回想シーンを挟まれた最後に
レーナ「たとえ力及ばなかったとしても諦めて膝を折るような無様はしない。命尽き果てるその最後の瞬間まで投げ出すことなく戦い抜く。そう言って生き抜いた人達がいて同じようにあれると彼らは私を信じてくれました」
シン「その彼らはとうに死んだ人間でしょう。死人を相手に何の義理が?」
レーナ「「忘れないで」と…言われましたから」
シン「・・・・・っ」
レーナ「その人がこの破局を…レギオンの大攻勢を教えてくれたから私は生き延びられた。生き残ってほしいと願ってくれたからいつか会えたらと言葉を残してくれたからまだ戦える」
レーナ「その人がいてくれたから私はこうして生きていられる。だから応えたい。もう彼らはいないけれどせめてその行き着いた先に辿り着きたい」
レーナ「生ききった彼らに追いついて今度こそ・・・
彼らと一緒に・・・・・戦いたいから」
レーナ「彼らをこの戦場の向こうに連れていきたいから」

こんなのを見せられちゃった日には、おじさんの涙腺は
レーナ「あなたも」
シン「え?」
レーナ「あなたもそうでしょう。戦い抜いたから
生き抜いたから今そこにいる」
レーナ「そのことをもっと誇ってもいいのだと思います」

もらい泣きしちゃうんです!
やっぱ少佐なんだなぁ
対面はお預けだったけど人との繋がりが時にその人の人生を変えちゃうことだってあるんですね。
フレデリカに茶化されながら、何気なくつぶやいた言葉
シン「追いついて辿り着いた先がこんな有様じゃあんまりだろ。進んだ先で彼女が見るべき景色はこんな戦場なんかじゃない」
フレデリカ「ところで気付いておるのか?そなた今答えを出しておるぞ。あの者が進むにはそれに相応しい景色がある。あの者の行く道はそなたが先に辿った道じゃ。ではそなたの目指すべき先はどこじゃ?」

ここまで感情を出すキャラではなかったので視聴者側まで救われるようなシンの決意の表情でした。目的を見出した人の心は折れることはない。シンはもう大丈夫。そんなふうに感じました。
目的を持たなくて進むこともできるけれど、よほどの精神力でないと孤独や退屈で多分自分を諦めてしまうと思うんです。
でも関わってきた何かがきっかけになってふとした瞬間にやりたいと思えることが見つかったとき、後悔しないように生きた時に、きっと答えみたいのが見つかるんじゃないかと思いました。
ここまで観ていただきありがとうございました。
それでは(^^)