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「自分が嫌い」悩む人たちへ向けた自己嫌悪の脳科学

「一番自分を嫌いなのは自分」
「自分はダメな存在」
「自分は何をやっても上手くいかない」
「勇気を出して外に出ても結局家に戻ってしまう。そんな自分が嫌」
誰しも自分のことが嫌いで嫌いでたまらない
そんな時期を体験することがあるかと思います。
自分のネガティブな部分に目を向けて
いつまでも自分を責め続けてしまう
心の自傷行為。自己嫌悪。
ここを見ていただいてる人の中には
自己嫌悪でたまらずどうにかしたいと
何か打開する糸口を求めて来ていただいた方も
いるかもしれません。
私自身、大学入試失敗〜大学除籍になるまでの間に
親との確執を経て自己肯定感がゼロになるまで
経験したことがあります。
ですので内容的には親子関係の悪化からの
自己嫌悪に関する内容が多めになるかと
思いますがご了承ください。
もし読んでいただいてちょっとでも
気分が変わったりしていただければ
書いた甲斐があると思います。
【表示】目次
先述したように以前の私は自分が嫌いで嫌いで
たまらない経験をしてきました。
ですのでまずその話をさせていただきますが
必要ない方は目次から飛ばして
「繰り返し自分を責めるわけ」から
見ていいただければ幸いです。
私も自分が嫌いで嫌いでたまらない時期がありました
現在(2022/01/24)わたしは10年ほど福祉の仕事に携わり
今は残りの人生を老人ホームで過ごすことになる
ご高齢者をお世話させていただく仕事をさせていただいています。
こうした福祉の仕事をするきっかけになったのは
自己嫌悪で苦しんできた時期を乗り越えた
一つのきっかけになったからかもしれません。
親へお金をたくさん無駄にさせた罪悪感
自己嫌悪のきっかけは
母親との関係性の悪化でした。
18歳〜23歳にかけたいわゆる受験から成人にかけての
どこでもあるような自己成長の失敗体験ですね。
母親も父親も大学を出ていません。
長男である息子にはせめて大学を出て社会で困らないだけの
切符を渡したい、そんな気持ちが強かったはずです。
後から聞いたことですが母親は長女として
やはり父親である祖父とは仲が悪かったようで
ずっとトラウマを抱えたようです。
だからこそ自分の家庭ではそんなことはさせたくない
せめて大学を出るだけのお金は出して、その先を
苦労しないようにと考えるのは当然だったと思います。
どうしようもない息子への苛立ち→強烈な怒り
ところが蓋を開けてみたら息子は
お金を使って塾に通わせたにも関わらず
成績も大して伸びず受験は見事に失敗して浪人生活。
一緒に通っていた友人たちは全員大学へ進学。
浪人を2年かけてようやく入った大学も成績は伸びず留年
大学2年生の時、家族会議で息子はあっさり
大学を捨てる決断をしようとするわ
その後大学に残るように説得したものの
息子は高い金を出して買ったパソコンにはまり込んで
半引きこもりになるわ
卒業論文さえ書けば卒業できるのに学校へ行くことすらせず
担任の教授から本人に来るように言われる恥ずかしい思いを
させられるわ、同じ大学に入った弟は順調に青春を謳歌して
彼女を作り卒業への道を歩んでいるわ
そんな状況の結果残ったのは
大学を除籍
そして落胆。
母親もなぜ、なぜ、なぜと自問していたと思います。
大学生活の時期に離婚の問題もあり
母親にとっても人生の失敗を感じていたでしょう。
だからこそ
自分は間違ってない
悪いのは私ではない
少しでも自分への価値観を下げないため
仕事とプライベートのストレスの怒りの捌け口が
息子へ毎日繰り返されるモラハラとなり、最終的に
私は母親にここまで苦しめさせてしまう
自分は本当にダメで最低で
どうしようもない人間なんだ
自分が一番悪いと考えてしまうのは
自然な流れだったと思います。
毎日自分が苦しんでいるのはあなたのせい
なんで私がこんなに苦しまなければならない
泣きながら責め続ける母親の言葉を聞きながら
苦労して稼いだお金を無駄にしてしまう情けない人間
自分は自分が一番嫌いという罪悪感の矛先が
自分に向かったのは仕方がなかったのかもしれません。
母親も忘れているかもしれませんが
ケンカの際にある時に言われた
失敗作
という単語は深く深く心に刺さりました。
本当に単純な話で大学を出ればいいじゃん
というだけなんですがもう
何もかもやる気が湧かない状態
なんですよね。
食事の時間もひたすら責め続けれ
味のしない時間は贖罪の時間みたいな感覚で
自分でも今後どうしていったらいいのか
なんてことは全く思わず、とにかく
毎日自分のからに閉じこもり
唯一のインターネットに逃げ込んで
自己逃避を続けていました。
毎日親が会社から帰ってきて
玄関の扉が開く音がするだけで身がすくみ
強烈なストレスを感じるのがわかるくらいでした。
階段を上がって部屋の扉を開けて母親が
いの一番に自分がこんなに苦しい思いをしているのは
お前のせいだと怒りの言葉を繰り返し浴びていると
なぜ自分はダメなんだろうとネガティブにしか目を向けられず
何かをやりたいとか頑張って大学へ行こうとか
やる気に繋がることはありませんでした。
大学に行くふりをしてはいろんな駅のトイレに閉じこもっては
時間を潰し仕事に出かけて親のいない家に戻る。
気力がある時はインターネットに繋いで
ない時はぼうっと過ごす。
そんな生活をずっと繰り返していました。
というのが自分が自己嫌悪に至った原因になります。
ここまで私の自己嫌悪に至った流れを見ていただき
ありがとうございます。
ここからは色んなサイトや論文、動画などの
賢人の知識をもとに自分なりに解釈で
自己嫌悪について解説していきます。
繰り返し自分を責めるわけ
生物学的な話を突然放り込んで申し訳ありませんが
生き物は失敗体験を元に成功しやすい道を探して
生存確率を上げます。
毒キノコの特徴は何か、色はどんなものか
猛毒の魚はどんな形をしているのか
どの部位なら食べられるのか
食べるとどんな症状が出るのか
危険な猛獣の潜んでいる地域はどこか
出会ったらどうやって逃げることができるのか
どこが弱点なのか
どんな状況なら寄ってこないのか
大きな地震が起きた時どうやって動けば良いのか
どれも生き残った人がいなければ
後世の伝えることはできません。
生存競争に勝てて初めて後に続く人たちが
危険を避けたりする知識を手に入れることができます。
そうした生存確率を上げる行動によって
子孫へ、それは危険だという記憶を
脳レベルや文字、口伝えなどで残します。
人間や猫や犬その他動物などはそうした
長い長い期間、何年何十年ではなく
何千年何万年という果てしなく長い期間を
成功失敗を繰り返して最適化されてきました。
私たちが蛇を見たり、木の模様に人間の姿を
見出して血の気が引いたり身構えたりするのは
過去の人たちが生存競争で勝って手に入れた知識が
考えなくても無意識で行動として出るレベルにまで
なったからだと言えます。
猫にきゅうりを見せると飛び跳ねる動作をする動画など
あると思いますが(ストレスをかけるのはやめましょう)
蛇と勘違いして無意識に行動として現れた
とする専門家の意見もあるようです。
地震が起きた時どんなに小さな揺れでも
敏感に察して周りを見渡すのは
幾度となく大きな地震を経験してきたから
かもしれません。
こんな面白い実験があります。
赤ちゃんを抱き抱えて動くと赤ちゃんが
リラックスしてすぐに泣き止むそうです。
これも幾度となく危険から逃げるために
繰り返された結果、母親が抱いて動いている時は
静かにした方が生き残る確率が高かったかもしれません。
牙のないメスの象が増えてきている。
こちらも内戦の資金確保のために
密猟者による異常な乱獲によって遺伝レベルで
変化した稀有な例と言えます。

性格や特徴は気づかないレベルで
遺伝の影響を強く残っていることは
理解できたでしょうか。
例えば日本人が世界の人よりも不安傾向が
強いタイプと言われています。
脳科学者の中野信子さんは
日本人はセロトニントランスポーターが
世界的に見ても非常に少ないと語っています。
セロトニンというのは脳内の情報伝達物質で
世間では幸せホルモンなどと呼ばれていますが
このホルモンの量によって感情が左右されます。
日本人だけでなくアジア人は特に
これが少ない傾向が高いそうで
より集団的な行動が高いのも
セロトニンを取り込みにくい性質が
原因とも言われています。
表の見方。
縦軸の上にいくほど集団主義が高く
下にいくほど個人主義傾向。
横軸は右に行くほど不安傾向が高く
左に行くほど楽観的。
5-HTTLPR(セロトニントランスポーター遺伝子)
Culture-gene coevolution of individualism-collectivism and the serotonin transporter gene | Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences
Conventional evolutionary biology theory posits that organisms adapt to their environment and over time exhibit favourable traits or characteristics that best enable them to survive and reproduce in their given environment through the process of natural selection ( Darwin 1859).
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2009.1650
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2009.1650
日本人はとりわけこの不安傾向の高さは
確実に存在しており、自己嫌悪に陥る人は
多いと言えます。
それなら南アフリカは陽気で自己嫌悪は
少ないんじゃないか、と思いますよね。
南アフリカ人も自己嫌悪を持っている
上の表の一番左に来ているのが南アフリカです。
ですが、アフリカ人も肌に対してのネガティブにより
自己嫌悪を持っています。
「S africa self hate」みたいな感じで調べると
色々検索結果が出てきますので見てみてください。
特にジェンダーに関する問題を抱えている人は
自己嫌悪になりやすいようです。
不安傾向が少ない、楽観的な人たちでさえ
自分を嫌悪することがある。
どうも自己嫌悪というのは人種によって差のある
というわけでもなさそうです。
もちろん統計的に自己嫌悪の人数を
不安傾向の高い人種とそうでない人種で比較して
調査をすればもっとはっきり関連しているのかは
わかるかと思いますが、そんな論文見つけたら
是非教えてください。
セロトニンがもたらすもの
セロトニンという話は上の方でもちらっと
書いてありますが、そもそもどんなものなのか。
私の中での認識は「安定剤」ですね。
イライラしていたり
興奮して周りが見えていなかったり
不安で不安で心臓がバクバクしてたり
そんな時に心を落ち着かせてくれるのが
セロトニンであり、結果として気分が良い状態
幸せな状態=幸福ホルモン
と呼ばれているのかと思っています。
答え合わせをしてみましょう。
Serotonin: Functions, Normal Range, Side Effects, and More
What is serotonin? Serotonin is a chemical nerve cells produce. It sends signals between your nerve cells. Serotonin is found mostly in the digestive system, although it's also in blood platelets and throughout the central nervous system. Serotonin is made from the essential amino acid tryptophan.
https://www.healthline.com/health/mental-health/serotonin#mental-health
https://www.healthline.com/health/mental-health/serotonin#mental-health
こちらの専門家の意見によると
- うつ病を減らす
- 不安を調整する
- 傷を癒やす
- 吐き気を刺激する
- 骨の健康を維持する
かなり意外なものが入ってて面白いですね。
抜粋するとこんな感じだそうです。
排便:セロトニンは主に体の胃や腸に見られます。 それはあなたの腸の動きと機能を制御するのに役立ちます。気分:脳内のセロトニンは、不安、幸福、気分を調節すると 考えられています。低レベルの化学物質はうつ病に関連しており、 薬物療法によってもたらされるセロトニンレベルの上昇は 覚醒を低下させると考えられています。吐き気:セロトニンはあなたが吐き気を催す理由の一部です。 セロトニンの産生が上昇し、下痢で有害または不快な食物を より早く押し出します。化学物質は血中でも増加し、 吐き気を制御する脳の部分を刺激します。睡眠:この化学物質は、睡眠と覚醒を制御する脳の部分を 刺激する役割を果たします。睡眠するか覚醒するかは、 刺激される領域と使用されるセロトニン受容体によって異なります。血液凝固:血小板はセロトニンを放出して傷を癒します。 セロトニンは小さな動脈を狭くし、血栓を形成するのを助けます。性機能:低レベルのセロトニンは性欲の増加に関連していますが、 セロトニンレベルの増加は性欲の低下に関連しています。
うつ病とセロトニンの関連からわかるように
自己嫌悪はセロトニンレベルが低下した結果
出てくるもの、として考えるとごく自然な感じですね。
少なくとも自己嫌悪に陥っている状態は
心が穏やかでリラックスしている状況とは
無縁の状態の時に起きていました。
嘔吐や下痢って良いイメージがありませんが
ウィルスなどを体内へ入れたときにダメージを
少しでも少なくするためには外へ出さなければ
いけません。そういう意味でとても重要な役割ですね。
女性で便秘が多い理由の一つは
女性にはセロトニンが作られにくいというのがあります。
男性の半分ほどと言われており
セロトニンは食事から摂取するしかないので
ダイエットなどを考え控えたりしていると
よりセロトニンは出にくくなります。
たまにトリプトファン(セロトニンの元になるもの)
のサプリを取っていると便通が良くなるので
いわゆる下痢に近くなって柔らかくなったから
出やすくなったのかもですね。
血液凝固にも役に立っているというのは初耳ですし
セロトニンが多すぎても骨に悪い影響を与えるというのも
知りませんでした。
性欲もセロトニンに関連しているそうです。
子育てにより集中できるように出やすくなるのでしょうか。
ちょっと脱線ですが子育てに関してだと
こんな記事がありました。
とはいえ、だから親は私を虐待してくるんだ、とか
単純化はして欲しくはないのですが、可能性の一つとして
あるかも知れませんよという示唆程度でしかないことは
ご承知ください。
親の虐待スイッチ
人間に当てはまるかは置いておいて
マウスには子供への虐待スイッチがあるそうです。
記事を見る限り生物に備わった機能のようです。
わざわざこれが残っているということは
必要だから存在していると考えるのが自然ですから
何かの拍子でこのスイッチがONになることはありそうです。
生存競争の話に戻りますと
どういう種が生き残りやすいかを考えた時
自身の身の危険に晒す可能性のある
足手まといな子供はむしろ邪魔になるかも知れません。
より強い個体を後世に残す遺伝子があるのであれば
弱い個体は排除することは十分考えられます。
熊ライオン、チンパンジーなども子連れの母を
見つけたときは真っ先に子供を殺しに行くそうです。
そうすることで発情期をメスに促して
自分の子孫を残すことができます。
自身の権威も落ちないという安心感もあります。
人だけが特別な生物ではありませんから
これも人に存在していても不思議はありません。
倫理観や宗教上の規則などでこれを防止していることは
人類繁栄の一つの要因ではあるのかも知れないですね。
おまけ 「子殺し」封じの奇策。誰の子かわからなくする作戦
これも興味深いですね。
一つの戦略として子供への虐待は親に
組み込まれている可能性はあります。
セロトニンの話に戻ります。
単純に幸せホルモンとしてみていると
見落とすものもありそうです。
セロトニンは調べてみると色々面白いので
ぜひ脳科学(神経科学)に興味を持ってもらえたらと思います。
おまけ セロトニンが蝗害(バッタの害)をもたらす
セロトニンはうつ病と関連があるという話でしたが
その理由としてセロトニンの他の神経伝達物質の
ブレーキが働きにくいためと言われています。
適切なセロトニンであれば適切な行動になる
だからセロトニンが少ない状態の時は
補えば普通に戻るという理屈は理解できます。
それなら逆の場合はどうなのか。
セロトニンが過剰な時はうつ病とは逆パターンになる
より攻撃的でアグレッシブになるんでは?
その答えと呼べるものがこちらですね。
セロトニンが増えているのに攻撃が過剰になる
縄張り争いでの喧嘩は生物学的には
そこまで命の危険はありません。どちらかが負けを
認めればその場から離れ、それで終わりです。
追っかけ回して相手が死ぬまで戦う
なんてことはありません。
ところがそうでない状況があることに
実験で気づいたのがこちらの記事になります。
筑波大学 高橋 阿貴(助教)さんによると
1匹のオスネズミをゲージ入れると当初不安そうに
していたのに、そこに別のオスが入ってきた途端に
攻撃行動に転じたそうです。
セロトニンが低いゆえに不安を持っている状態から
突然攻撃行動に移ったわけです。
これに疑問を感じよくよく調べてみると
この攻撃行動を突然行ったマウスのセロトニン濃度は
逆に上がっていました。
セロトニンがあると心は安定するはずなのに
攻撃行動に出ている。これは何故か。面白い。
というわけですね。
YouTubeに講演会を行っている動画があるので
是非みてみてください。
TSUKUBA FUTURE #097:マウスの行動に魅せられて | TSUKUBA JOURNAL - 生物・環境
マウスは臆病な動物ですが、二匹のオスを同じケージに入れるとけんかを始めます。これは互いの優劣を確認するためのけんかで、弱いほうが降参のポーズをとることで収まります。一般に、同種の個体に向けられた攻撃行動には抑制がはたらく仕組みがあるのです。ところが、恐怖にかられた攻撃などには抑制が効かないことがあります。これは、攻撃行動の目的により、抑制の仕組み、つまり神経生理的な仕組みも異なっていることに...
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/biology-environment/20180911000137.html
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/biology-environment/20180911000137.html
まだ研究レベルですし人に当てはまると考えるのは
早計ですが、この研究が進むことで
虐待などの仕組みの理解が深まり教育レベルで
教えて防いでいくというのは考えられそうです。
またセロトニンが適切量ある状態の時は
過剰な攻撃行動に出るのか出ないのかなどは
ここでは示されていないので予想のみになりますが
セロトニンが低い状態の時に
(母親の立場としてのメンタル低下)
相手を攻撃することで増やせる
(反撃してこない息子)
と判断した場合は攻撃が過剰になる
(過剰なモラハラ)
脳内ではこんなことが起きているとするなら
狭い縄張り(家庭環境)において
お互いに離れられない状況の場合は
負のループが起きやすいと言えるかも知れません。
ここまでのまとめ
もともと低いセロトニンの日本人
↓
母親の自己肯定感の低さ&息子への失望
↓
虐待スイッチ または セロトニン過剰スイッチ
↓
母親からの責め苦により低いセロトニンから
さらにセロトニンが下がる(息子)
↓
長時間の攻撃の結果セロトニンが一旦安定し
落ち着く、時間が立つと下がる(母親)
↓
セロトニン不足からくる悪いこと探しの
ループからの切り替えができない(両方)
↓
(※繰り返し)
↓
自己嫌悪によるうつ病手前
どちらも不安を抱える相手が同じ状態である限り
繰り返されるため長期間にわたってこれが
継続されていくことはありそうですね。
どちらかが離れる、突き離すなどの選択をしたり
息子が逆に暴力で持って状況を逆転させて
反撃をさせないなどが起きない限りは続きそうです。
ある意味自己嫌悪を行っている人は
安定を求める傾向の強い人で
自己解決行動は低い人ほど
現状の環境の改善は難しいのかも知れません。
どうすれば解決するのか
自己嫌悪がセロトニン不足から来る
悪いこと探しのループ、かどうかは
実のところわかりません。明確な答えとなる
論文などがあれば良いのですが、現状では
あくまで私の推論でしかないです。
神経可塑性は良くも悪くも使いよう
新しい用語ですが、神経可塑性というものが
脳科学(神経科学)ではあります。
具体的には脳内の細胞には学習するための機能があり
何度も何度も反復練習を続けることで
電気信号を素早く流れるパターンが出来上がるように
なっています。
例えば初めてモンスターハンター(アクションRPG)を
操作した時はまともに動くことも剣を振って敵に
当てることも難しいですね。
敵の動きを予測して状況に合わせて避けたり
守ったりして体力が減らないようにし
隙を見つけて攻撃に転じることで勝つというのが
このゲームの醍醐味です。
そのためには何度も何度も同じ相手と
戦うことで動きの予測をたて
上手い人の操作を動画で見たりして
どういうパターンで攻撃するのかを
体に覚えさせる必要があります。
これは実は脳内ではシナプスという学習するための
機能が大きく成長した結果なんです。
小さい頃、自転車を補助輪なしで乗ったり
鉄棒の逆上がりができるようになったり
できるまでに何度も何度も失敗を繰り返して
きたと思います。
アニメの主題歌を覚えたくて毎週
アニメが始まったときに口ずさんで少しずつ
歌詞を覚えて歌えるようになったり
これもシナプスの可塑性のおかげです。
猫が自分に甘えてくれるのも
1年2年という長い時間をかけて
ゆっくりゆっくり信頼関係を築いて
いけたのも猫の脳内レベルで私自身が
安全な人間であることを覚えていったからです。
このように神経の可塑性は学習には
必要不可欠であり、あなたも勉強を続けていれば
成長するようになっています。
ここまで見てピンと来る方もいるでしょうが
この可塑性は「良いとこ探し」や「悪いこと探し」の
どちらにも使われているわけです。
例えばあなたの嫌いな人の部分をあげてみてください。
このブログを見ている人は自己嫌悪について
知りたくてきているでしょうから、自分の嫌な特徴
ということになるのでしょう。
あなたの嫌な部分はどこか、あなたの不得意なことは何か
自分の体のどこが好きではないのか
自分はどんな時に落ち込みやすいのか
など即座に言えるんじゃないでしょうか。
逆に自分の良いところ、自分が価値を感じているところ
自分は誰にも負けないところ、自分のなかのどこが好きか
自分が対人関係で得意なのはどんなところか
など言ってください、と聞かれてたら即座に
答えられるでしょうか。
自己嫌悪の強い人ほど
自分の悪いところ探しの名人に
なっているわけです。
それは長い期間をかけて脳内の
神経の可塑性を自分の嫌いな部分を
探すために使い続けた結果ですね。
なのであなた以上にあなたの悪いところを
見つける天才はいない、ということです。
脳はエネルギーを大量に消耗する内臓です。
考えすぎると突然甘いものが
食べたくなったりするのは脳のエネルギーを
消耗していたりします。
このエネルギーを極力減らすために
効率よく自動でできるようにする
メカニズムが脳には備わっています。
いわゆる自動思考とか、勝手に頭の中で
想像してしまったりする行為がそれですね。
自己嫌悪も突き詰めれば自動で考えられる
レベルまで持っていくことができるはずです。
特にセロトニンが低い状態はなおさら
安定もしませんから、永遠に自分の嫌なところのみ
見つけよう見つけようとし続けます。
脳には意味を考える必要はありません。
あなたが自己嫌悪をするというのは
モンハンのスキルを覚えるのに夢中になったり
アニメの主題歌を必死に覚えようとしたり
自転車の乗り方を一生懸命練習しているのと
全く同じレベルで自分を嫌悪するための
努力をしているということです。
感情は別にして脳の中では自己嫌悪が
好きで好きでたまらない状態になっている
ということです。
好きなこと、やりたいことを見つけて
自己嫌悪以外のことに夢中になる。
自己嫌悪自体を、悪いものと見ずにそれも
あなたらしさ、あなたの良さであると認めた上で
他にも見つけるということが自己嫌悪ループから
抜け出す一つの方法かと思います。
神経可塑性を自己嫌悪以外に使う
感謝される仕事をする
私が一つ抜け出せたのは
介護の仕事をしたからだと思います。
普段「ありがとう」と言われることは
あるでしょうか。「ありがとう」と言ったことは
あるでしょうか。
よほど家庭環境でいうのが当たり前とかでない限りは
なかなかありがとうと言ったり言われたりすることは
少ないかと思います。
「すみません」はよく使うかも知れませんね。
なので毎日のように「ありがとう」が
飛び交う介護は自己肯定感が高まるなぁと
実感しています。
一つは感謝されるような仕事をする、ですね。
心理的安全な場所を見つける
長くなるので詳しい内容な触れませんが
自分の安全基地を確保することはとても大切です。
実家が安心できない、セロトニンが低下するような
環境であるのなら、やはり離れるのが一番です。
毎日のように誰かから責め続けられることは
ストレスも溜まり、逃げられない環境の結果
鬱を起こし、最悪な場合は自殺したり
誰かを排除しようとしたり極端な行動しか
取れないような冷静な判断ができなくなります。
心理的安全は、家だろうが会社だろうが
どんな時でも必要不可欠なものです。
子供が安心して帰れる場所を提供する
社員が安心して働ける、意見を言える場所を提供する
自分が安心して考えたり、睡眠が取れる環境を見つける
不満や気になったことを伝えても受け入れる、受け入れられる
そこから先のことをお互いに見つけることができる
心理的安全な基地を手に入れる
メタ認知
なぜ脳機能のことや周りくどいことを
書いたかというと、例えばあなたが謎の腹痛に
毎日襲われてたとします。
近くの医者に行っても原因はわからないけど
痛み止めだけくれる、程度の解決方法しか
わからなかったとします。
どうでしょう。
毎日腹痛は続くわけですが、痛み止めでなんとか
防止できていますが心から安心できますか?
痛くならないから安心する、って人はそうは
多くないかと思います。
「腹痛の原因はストレス性胃炎ですね。
あなたの近くでストレスになるものはありますか?
ストレスを解決するのが一番だと思います」
みたいに原因と解決方法がわかったら
安心できませんか?
いわゆるこの別視点の気づきってのは
脳には重要だと言われています。
特に前頭前野でこの機能が発揮され
人間だからこそできるストレス解消方法です。
例えばセロトニンの低さは薬でも解決は可能です。
薬を飲み続けるのは危険、とか従来持っている機能が
落ちるとかは、一旦置いておいて
薬でも何とか通常の生活に戻れるんだ、という解決方法が
あるのとないのとでは大きな差です。
俯瞰した状態から自分を見ることで
一旦落ち着きを取り戻すメタ認知
これも自己嫌悪から離れる方法と言えます。
おまけ マウスも後悔することがある
ある程度待つと食べられる時間制限付きの状況で
待つのがもどかしく別の道へ食べ物を求めて移動した
マウスがさらに待たなければいけない状況になった時
一つ目のやり過ごしてしまった場所を振り返ってみていたそうです。
これはマウスが後悔しているからだ、とする論文ですね。
面白いのは個体差があるということですね。
待っている間に後悔しているマウスもいれば
待っているのを待ち続けている前向きなマウスも
いたそうです。
あなたも自己嫌悪から抜け出して
ぜひ将来の楽しみを待てる脳を手にれましょう。
ここまで観ていただきありがとうございました。
それでは(^^)