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子どもを手元に置きたがる心理

 
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子どもは親の所有物なのか?

 
 
 
 
一人暮らしを始めたら干渉されなくなると思った。
 
 
 
結婚したら親から離れられると思った。
 
 
 
しかし現実では思った以上に親子の関係から離れることは難しいように感じます。 ニュースをみていると50代以上の子どもが同居している親と揉めて事件を起こしてしまったり、姑と嫁の紛争のマンガがtwitterなどでいいねされていたり、幼い児童が再婚相手により想像を絶するような虐待を受け亡くなってしまったり、数多くの親子関係のトラブルは存在しています。
 
 
 
 
 
うちの母親もどちらかといえば過干渉な部分が強く、弟夫婦に孫が生まれた途端にやたらと「会いたい」とか「全然会えない、会わせてくれない」とか不満を口にすることが増えました。
内心では嫁姑問題とか齧ったことがあれば弟夫婦に子どもできたからってそんな簡単に会えるわけないことはわかるよなぁとか、そもそも減点方式で弟の奥さんを採点していた義理親が孫ができた途端に干渉とか典型的に最悪のパターン進んでるなとか、孫ができたらいつでも会えるのが当たり前な考えってどこから出てきてるのか、など不思議に思うことが多々みられました。
 
 
「何も言わずに(弟夫婦の)家に行ってやろうか」と言った時はそれが一番こじれる嫁姑問題ってやつ!と思わずツッコミを入れてしまったりしましたが、まあちょいちょいイベントイベントでは会ってはいるのですが、それですら「少ないもっと会いたい」「私の時は母(おばあちゃん)がしょっちゅう家に来ていた」とかブツブツ言ってましたね。
 
そもそもむかし義理の親が地方から長期泊まり込みで来て、旅行とか出かけたときにめちゃくちゃ仲悪くなってたこと覚えてないのかな、とか思いましたが触らぬ神に祟りなしなので長男としては聞き役に徹するのみなわけです。
 
 
もちろんマンション購入にお金の工面をしたこともあるんだから孫に会う権利はあるとか、母親からの言い分も多少はわからなくはないのですが、それにしても歩み寄る方法はたくさんあるように思います。
 
自分の感情を処理しきれずにLineを使って弟へ皮肉めいた文章を寝る前に送りつけては、母親と弟両方から互いの不満を私にしてきたり、両者を気の毒に感じていたのを思い出します。(このブログが母親に読まれないことを強く祈っています笑)
 
 
 
 
ただやっぱり疑問なところは親にとって子どもはどこまでも子どもなんだな、と感じたことです。 つまりどこか思考の片隅に子どもは親の言うことを聞くのが当たり前、とか気を使って孫に会う回数を増やすのが普通とか、家庭を持っても子どもも孫も自分のもの、のようなニュアンスが言動に込められていて、歯にものが挟まった感じがあるみたいな感覚ですね。
 
 
 
 
日本独特なものなのかと思いましたが、そうでもない感じですね。
 
こちらのサイトを拝見させていただくと英語にも義理の親「in-law」と言う単語があり、どこの国も似たり寄ったりな感じが見受けられました。あちらにも義理の毒親みたいな概念もあって面白かったです。それはまた別で描いてみたいと思います。
 
 
 
 
 
 
 
何かちょっとでもこの辺を脳機能などの側面から理解できるところがないかをこれから書いていこうと思います。
 
 
 
今回これを書くことの目的の一つは、読んでいるあなたがもしもお子さんがいる場合同じ轍を踏むようなことがなく幸せな人生を送って欲しい、ということとそれをお子さんに孫ができたときに同じように互いに親子関係がうまくいくスキルとしてループして欲しいと願っているからです。
 
不健全な親子、義理親子関係とちょうどいい感じに距離感を保てる質の良い親子関係を作れるならどっちがいいの?ということです。
 
 
 
 

セロトニンが足りない問題

 
 
セロトニンは幸せホルモンなどと呼ばれている精神を安定させるために必要不可欠な脳の神経伝達物質です。アフリカなどは陽気な性格な方が多いのもこのセロトニンがたくさんあるからと言われています。
 
逆に日本人は元来セロトニンが少ない人種と言われています。
日本人が世界的に見ても不安傾向が高いというエビデンス
Culture-gene coevolution of individualism-collectivism and the serotonin transporter gene 2009年のものなのでデータとしては古いですが アジア系は軒並みセロトニントランスポーターが 少ない傾向にあるので恐らく現在調べても同じような 結果になるのではないかと思います。 セロトニントランスポーターを説明する前に セロトニン(serotonin)とは何かから説明しますと 生き物の脳には各種電気信号がニューロンを流れ その発火エネルギーによって色々な思考や行動に 繋がるようにできています。 セロトニンはその電気を流すための 脳内伝達物質のうちの一つになります。 心が落ち着いたり、怒りが収まったり 不安な状態が解放されたりなどの 感情のブレーキ的な役割を担っているとされてます。 このセロトニンによる発火が少なければ 不安を感じた時に治ることがなくなり 常時不安を感じたままの状態になったり 怒りがおさまらず相手に永遠に怒りを ぶつけてしまう、傷つけてしまうような 状態になったりします。 セロトニントランスポーターとは そのセロトニンを多く吸収しやすいように するための補助的な役割を持ち 多ければ多いほど楽観的で人生ハッピー な陽気な人間と言えるでしょう。 日本人は全体的に少ないため 不安傾向が強い人種と言えます。 下記画像の(b)の赤い国ほどその セロトニントランスポーターが少ない国 だそうです。 国によって不安傾向に差が出るということは 何かしらのメリットもあるはずです。 脳科学者の中野信子さんによれば 日本は火山や地震大国であり災害による 食糧危機、命の危機などに見舞われる 頻度が高いです。 その結果、自分たちが生きていくためには 災害を恐れたり、食糧が無くなったりしないよう 勤勉に働いて将来のために蓄えたり 危機感を伝え続けたりしなければなりません。 その結果日本人全体が不安傾向が高い方が 生存確率が高くなったのだろうとされているそうです。 また集団的な行動が多いほど 誰かを出し抜いくような フリーライダーの出現も抑えられ 危機的な状況の時に早く復旧ができる というメリットもありそうです。 ただ、科学が発展し情報の共有や 災害への対策もより強固になってきた 現代においてはむしろ別の 弊害も増えてきました。 特に日本人は富国強兵のために より従順な兵士を獲得できるように 学校によって上に従うことが 当たり前とする教育を推し進めてきました。 この整列する教育は世界的に少ないです。 ブラック企業にいても将来への不安のため 離れられないという特性を利用され 心が壊される人も増えています。 またセロトニンの少なさはうつ病などの 精神疾患や自殺の増加などの影響も多いです。 そういう意味では日本人も今後 科学の発展とともにセロトニンの傾向も 楽観的な人の方が生存確率が上がり 入れ替わる可能性はないとは言えないかも しれません。
 
 
しかも、女性の場合このセロトニンが男性の半分くらいしか作られません。 女性ホルモンであるエストロゲンによってセロトニンの出やすさ出にくさも変動するため、女性にうつ病が多い原因の一つとされています。
 
セロトニンは食事や日光を浴びたりリズム運動によって増えます。甘いものを食べに行ったり音楽を通してリズム運動を促したりするのが好きなのはそうした理由があるからかもしれません。
 
 
 
 
セロトニン不足は不安傾向を強化します。 高齢になると女性ホルモンは出づらくなり、家に閉じこもりがちな親なら尚更セロトニン不足になります。セロトニン不足はちょっとした怒りを抑えづらくなったり、永遠と不満を口に出し続けるようになります。
 
さらに歳をとると新しいことへの挑戦が減り、変化のない生活を送ることが多くなります。 変化のない生活は脳の機能を衰えさせ結果として自身の感情を抑え込む能力が衰えるため怒りやすくなったり悲しみやすくなったり、感情的になりやすくなります。
 
 
 
その結果不満などに対する感情は簡単に怒りの衝動へ繋がりドーパミンを産むようになるのでむしろ、誰かを責めたり不満を口に出すことが実は本人に気づかないうちに快感になってしまいます。 脳は同じ行動を繰り返す方がエネルギーの消費を抑えられるため行動を直そうと考えない人はより、不満や愚痴は強化されていきます。
 
 
インターネットに触れる機会の少ない50代60代の親であるなら、ネガティブな内容を流し続けるテレビを通して政治に対する強い不満や、悲しい事件に引きずられて犯人に対して怒りをぶつけたりするようになります。
 
 
 
孫が産まれることは親にとっては喜ばしいことであり、セロトニンやオキシトシンを得るためのチャンスでもあります。しかし現実では親子関係がうまくいかなかったりしたことが原因で会うことが許されず、テレビに向けていた政治批判などのターゲットが次第に子どもへ向けられてもおかしくありません。
 
怒りは行動へのモチベーションにもなるので、むしろ子どもへの過干渉が増える、結果として親子関係はさらに冷え込む原因になっていきます。 例えばそんな状況で、認知症や身体能力の低下による骨折など、介護が必要になると親子関係の歪みが深くなっていくということもあるでしょう。
 
 
親が変化のない生活を送っている場合は孫が生まれたという状況はモチベーションが高くなることでしょう。会いたい欲求は次第に子どもへのコントロール欲求に変化していき、こじれると過干渉やトラブルの原因になりかねません。
 
もともとそんな性質の親なら距離を物理的に離してしょっちゅう会えない環境にするとか、あえて会う回数を増やしつつ、しかし自宅に勝手に来るようなことはしないよう線引きをしっかり作るとか選択肢はたくさんありそうです。
 
 
 
 
 

子どもを所有物扱いする心理

 
 
親子の関係は生まれてから成人するまでとても長い期間時間を共有します。
 
 
この期間で体験した学習は脳へ無意識レベルにまで刷り込まれることは想像しやすいかと思います。親に叱られると怖いとか子どもは親の言うことを聞くもの、とかですね。 それに加えて地域性の家族観に関する価値観などによって祖父母から親へ、親から子どもへと価値観は共有されていきます。
 
地方だと結婚したら夫の妻は、義親に尽くすのが当たり前な風習の場所もあるようです。 そんな家庭で育った夫なら無意識レベルで妻は夫側を立てるものみたいな価値観になるのは仕方ないでしょうね。教育とはようは洗脳なので、学び方次第でどっちにでも転がるのです。
 
目玉焼きには醤油かソースかケチャップか、みたいな家庭なのルールが当たり前だと思ったら、結婚を機に実は特殊なものだったことに気づくなんて話はよくあることのようです。
 
 
 
 
現在の40代の家庭の場合その祖父母は戦争世代を経験しています。
 
 
 
 
当時のような食生活も厳しい環境であれば、規律の整った厳しい家庭環境でなければ食べることも生きていくことも難しいでしょう。親の言うことを聞くのは子どもにとって当たり前のこと、と言う価値観を持って育てられた親世代が現在の子どもに対して同じように考えてしまうことは想像に難くありません。
 
 
その結果老人ホームに預けられる戦争世代の方たちの中で明らかに子どもとうまく行ってない家庭は大体、この価値観が極端に振られている人たちがほとんどでした。 戦争という特殊な環境ゆえに生まれた親子関係の成れの果てと考えると、悲しいことですが今はそうではありません。いくらでもネットから勉強できる環境もあるし、親子間をどうやってうまくやっていくかというヒントもたくさん転がっています。
 
 
 
価値観はもはや無意識レベルの変化なので自発的に変えるきっかけがない限りはなかなか難しいものです。海外であるなら子どもが平気で肌の色の違いで唾を吐きかけるなど差別的に言動をするという話も聞いたことがあります。
 
生まれたての子どもは差別をしませんが、関わる親や環境によって変化していきます。どんな大人になって欲しいのかという親同士の理想と積極的な学びの姿勢を取るか取らないかによっても子どもの将来性は大きく変わることは間違い無いでしょう。
 
例えば障害者のデイサービスで働いていたときは、一緒に働いていた女性のお子さんがたまに遊びに来ることがありましたが、私以上に障害者とうまく接していたことをよく覚えています。おそらくそうした経験は大人になったとしても強く心に残っていると思います。
 
 
 
子育てをするときの親の教育に対するリテラシー(親子関係スキル)を親が持っているかどうか、が最終的に親子間の関係性を大きく左右する要因になるのだと思います。
 
 
 
 
 
 
ここまで観ていただきありがとうございました。
 
 
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